2015年09月02日(水)

感謝を忘れた人を応援する人は極めて少ない。いくら正当な言葉でも、愚痴ばかり言ってると人は離れていく。「ご意見番」を気取るのもいいけれど「うるさがた」に徹するのもいいけれど、それは、まわりにたくさん感謝してこそだ。

むかしむかし、すごくむかしの知り合いに有能なプログラマがいました。でも、その人は「ぼやき系」で愚痴ばかり言ってた。正当な意見も何割かはあった。八割くらいかなあ。でも感謝はなかった。感謝の言葉を聞いた経験はほとんどなかった。まわりからは一目置かれていた。優秀だからね。でも、その人を好きな人は少なかった。感謝の言葉があったらな、とよく思った。でもそんなこと、大人に言えない。「もっと感謝したほうがいいよ。応援してくれる人や、環境や、まわりにね」なんていう言葉、いい大人にはなかなか言えない。

だから、ぽつんとここに書いておく。

 感謝を忘れてはだめ。

 「ありがとうと言ったら死ぬ病」にかかってはいけない。

具体的には、こまめに「ありがとう」というのがいい習慣だ。

こまめに「ありがとう」って言う。「すみません」よりも多く「ありがとう」って言う。こまめに「ありがとう」と言う習慣を身につけるのはとても大事。五年、十年経つうちに、絶対に世界は変わる。

あなたのすぐそばから。


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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki

『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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