自分をゆるしてあげよう

2015年11月15日(日)  List  Edit  New

きちんとやること。しっかりやること。まちがえないこと。わすれないこと。たのまれたことをやりきること。というのが責任だとするならば、ときどき無責任になる必要があると思う。少なくとも私は。

すべてに対してすべての時間、責任を全うするのは不可能である。だから、選ぶことになる。いまは休みとか。今日はサボるとか。奥さんだけをえこひいきするとか。わざと忘れたり嘘をついたり手を抜いたりする。ときに適切にそういうことをするのが、大事な場面で責任を果たすことにつながる、といいな。人間のサスティナビリティってそういうことではないか。

聖書に「裁くな」とある。人を裁くな。人のことをあれこれ口出しするな。人は、ほんのわずかしか見ていないのだから。人は神ではない。背後にどんな歴史が思いが葛藤があったのかはわからない。だから、人のことをあれこれ言わないほうがいい。

やろうとして失敗することはある。忘れないようにしていたのに忘れることもある。ここぞというところでポカをしたり、何度も何度も自分の悪癖から逃れられなかったり。

自分をゆるしてあげよう。自分の存在そのものを肯定してあげよう。失敗やポカや嘘や手抜きはほめられたことではない。でも、あなたの存在をおびやかすものではない。

あなたはそのままで最高の存在である。私もこのままで最高の存在である。あの人もこの人もそれぞれに最高の存在である。行ない、思想、責任無責任、能力の差、いろいろあるけれど。いま生きてるということの意味を思う。

自分をゆるしてあげよう。自分を裁くのをやめよう。あなたはそのままで価値のある存在である。誰もそんなこと言わないかもしれない。そもそも、そばに誰もいないかもしれない。でも、神さまはそう言う。神さまはいつもそばにいる。だから生きていられるのだ。

おつかれさま。なんだかんだ言っても、なんとか今日を過ごしてきたね。おつかれさま。ありがとう。


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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki

『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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