2016年10月21日(金)

うまい話、もうけ話は話半分に聞くもんだよ。て、ばあちゃんが言ってた。確かにそうだ。うまい話はよくよく聞くとうまくない。もうけ話はもうからない。話半分に聞くくらいでちょうどいい。食いつく態度は「わたしはカモでございます」というアピールだ。

話半分というのは、パラメータを半分にすればいいというものではないよ。100万もうかるを50万はもうかると考えるものではない。どちらかというとオーダーを下げるくらいがいいかも。

想像力が大事だ。この人はなんでこんなにいい話をわたしにしてくれるのか。うまい話、もうかる話なら、独り占めすればいいじゃん?この人が執拗に丁寧に誘うのには、必ずこの人にとってのメリットがあるはずだという見方は大事だ。

田舎のばあちゃんが、都会に行く十代の若者にいう話だ。生き馬の目を抜く都会に行くんじゃろう?うまい話は話半分にな、と。

核家族になり、オトナの話を経ずに荒波の中に飛び込む若者はどこで「話半分」という言葉を聞くだろうか。

  • 「必ずもうかる」
  • 「あなたならできる」
  • 「いましかないチャンス」
  • 「あなたが選ばれました」
  • 「少し頑張ればXX万」
  • 「レールに乗ったまま生きて行くのか」

あなたには「ばあちゃん」はいるだろうか。


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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki

『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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