数列の極限値の大小関係

2017年02月25日(土)  List  Edit  New

命題

二つの実数列 $\{ a_n \}$ と $\{ b_n \}$ があり、$n \to \infty$ での極限値が、それぞれ $a$ と $b$ であるとする。任意の正整数$n$について$a_n < b_n$が成り立つとき、$a > b$にはならない。

証明

$a > b$になってしまうとしたら、$a_n > b_n$となる正整数$n$が存在するので、前提条件に反することを示す。

$\epsilon = \dfrac{a - b}{2}$と置くと、$\epsilon > 0$である。

$n \to \infty$のとき、$a_n \to a$だから、十分大きな正整数$N_a$を選べば、$N_a$より大きなすべての正整数$n$について$a - \epsilon < a_n < a + \epsilon$が成り立つ。

同様に、十分大きな正整数$N_b$を選べば、$N_b$より大きなすべての正整数$n$について$b - \epsilon < b_n < b + \epsilon$が成り立つ。



$N > N_a, N > N_b$となる正整数$N$を選ぶと、$a - \epsilon < a_N < a + \epsilon$ならびに$b - \epsilon < b_N < b + \epsilon$が成り立つ。

ここで、$a - \epsilon = \dfrac{a+b}{2} < a_N$および$b + \epsilon = \dfrac{a+b}{2} > b_N$なので、
$$
a_N > b_N
$$
がいえた。

(証明終わり)


補足

関連ツイートが以下にあります。




http://rentwi.textfile.org/?835254287001255936


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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki

『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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