2017年07月15日(土)

偽善的に聞こえるかもしれない言葉でも、もしも自分がそう考えるなら正直に表明するのが結局はいいのではないでしょうか。偽善的な言葉といっても、それが本当の善なのか偽善なのかは誰にもわからないものですし。

「体調が悪いなあ」と言う人がいたら「お大事に」と伝える。「よしがんばるぞ」と言う人がいたら「がんばって」と伝える。「大失敗した!」と泣いている人がいたら「お察しします」と伝える……いや、もしかしたら、何も言わずに祈るのがいいのかもしれませんけれど。ともかく、自分の正直な気持ちで動くのがいいと思います。

「あなたの言葉は偽善的だ」と非難されることがあるかもしれませんが、もしも自分が正直な気持ちで動いた上で非難されるなら、納得いきます。自分なりに考えた発言や、自分なりに考えた行動だったら、非難されても受け止めやすくなります。良かれと思ったら、思い切りやればいいのですよ。

この世は影の国。いつか消え去るものです。私たちは旅人であり、いつか旅を終える存在です。

私たちは旅をしている。私たちは影の国—Shadow Lands—を最大100年で駆け抜けているのです。自分が「こっちだ!」と思ったら全額賭ける。愛も、学びも、抵抗も、犠牲も、喜びも。レートを上げて全額ベット!

私が妻にプロポーズしたときには、そういう思いでした。自分にできるありとあらゆることをして、彼女を妻にしたいと思ったからです。自分のすべてをベットするのはいま、ここだ!と思いました。そのおかげで、現在「スーパーでジュース買ってきてー」というメールをいただける光栄に毎日浴しているのです。


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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki

『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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