「鳩の巣論法」を連続にする

2017年12月04日(月)  List  Edit  New

命題
不等式
$$
x_0 \leq y_0 < y_1 \leq x_1
$$を満たす実数$x_0,x_1,y_0,y_1$を考え、$X = [x_0,x_1], Y = [y_0, y_1]$とおく。微分可能な関数$f: X \to Y$を考えたとき、
$$
|f'(a)| \leq 1
$$
を満たす$X$の要素$a$が存在する。

証明
もし$f'(a) = 0$を満たす$X$の要素$a$が存在するならば、$|f'(a)| \leq 1$がいえる。$X$の任意の要素$x$に関して$f'(x) \neq 0$とすると、中間値の定理より$f'(x)$は常に$0$以上か常に$0$以下である。常に$0$以上として一般性を失わない。このとき関数$f$は広義単調増加で、$Y$の任意の要素$y$に対して、
$$
y_0 \leq f(y_0) \leq f(y) \leq f(y_1) \leq y_1
$$
がいえる。平均値の定理から、
$$
|f'(a)| = \left|\dfrac{f(y_1) - f(y_0)}{y_1 - y_0}\right|
$$
を満たす$Y$の要素$a$が存在する($a$は$X$の要素でもある)。大小関係を考えると、
$$
\left|\dfrac{f(y_1) - f(y_0)}{y_1 - y_0}\right|
\leq
\left|\dfrac{y_1 - y_0}{y_1 - y_0}\right|
=
1
$$
なので、$|f'(a)| \leq 1$がいえる。(証明終わり)



※上の証明は葛貫森信(くずにゃん)さんの以下のツイートをもとにしています。



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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki

『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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